韓牛の等級を整理する — 1++・1+、そして No.9
韓牛の等級は肉質等級(1++・1+・1・2・3)と歩留等級(A・B・C)の二本立てで、飲食店が言う「1++」は肉質等級を指します。1++は脂肪交雑17%以上を意味し、その中でさらにNo.7・8・9に分かれます。日本の和牛A5は歩留(A〜C)と肉質(1〜5)を組み合わせた別体系なので、「1++=A5」とは言い換えられません。
等級は二つ同時に付く
韓牛の枝肉には肉質等級と歩留等級が同時に付きます。肉質等級は脂肪交雑・肉色・脂肪色・組織感・成熟度から1++・1+・1・2・3に、歩留等級は枝肉から取れる可食部の割合でA・B・Cに分かれます。消費者が目にするのはほぼ肉質等級で、歩留等級は流通段階で使われます。
正確な表記は「1++A」のように二つを併記する形です。メニューの「韓牛1++」は肉質等級だけを示しています。
1++の中でも三段階に分かれる
2019年の基準改定以降、1++は脂肪交雑によって三区分で表示されます。同じ1++でもNo.7とNo.9では脂の量が目に見えて違います。
| 表示 | 脂肪交雑 | 感覚的な特徴 |
|---|---|---|
| 1++ No.9 | 22.1%以上 | 最も緻密なサシ。少量でも満足感が大きい |
| 1++ No.8 | 19.6〜22.0% | 脂と赤身のバランスが良い区分 |
| 1++ No.7 | 17.0〜19.5% | 1++の入口。肉の香りが比較的はっきり出る |
| 1+ | 13.0〜16.9% | 高級焼き物に広く使われる区分 |
| 1 | 10.0〜12.9% | 精肉・プルコギ・スープ類に |
サシが多いほど良い肉とは限りません。コースが長く酒を伴う会食では、No.9の脂が重く感じられることもあります。等級から選ぶより、部位と場面に合わせて選ぶほうが確実です。
韓牛と和牛は何が違うのか
品種も等級体系も異なります。韓牛は韓国固有の品種、和牛は黒毛和種など四品種の総称です。等級も韓牛は肉質1++〜3・歩留A〜C、和牛は歩留A〜C・肉質1〜5の組み合わせで、A5が最上位となります。
- 脂の融点 — 韓牛のほうが相対的に低く、口の中で早く溶けて後味が重くなりにくいと言われます。
- 脂の量 — 最上級同士で比べると、和牛A5のほうが濃厚です。
- 食べ方 — 和牛は薄く切って短時間で火を通す調理が多く、韓牛の焼き物は部位ごとに厚みを変えて炭火で焼きます。
「1++はA5より上か下か」という比較は成り立ちません。別の物差しだからです。実際に比べるべきは等級の文字ではなく、部位・熟成・包丁の厚みです。
等級より味を左右する三つ
- 部位 — 同じ1++でもヒレ・ロース・カルビ・ザブトンは脂の入り方も繊維も全く違います。等級は枝肉全体に一つしか付きません。
- 熟成 — 期間と方法で香りと食感が大きく変わります。等級表には表れない値です。
- 包丁の厚み — ミリ単位の差が火の入り方を変えます。厚切りと薄切りのヒレは、実質的に別の料理です。
ソルヤカルビ清潭がシグネチャーを26mmガーリックヒレ、23mmヒレサンド、7mmチョンヤン・ザブトンと厚みで呼ぶ理由がここにあります。等級は素材の出発点で、その先は部位の選別・熟成・包丁が決めます。
最終確認: 2026-08-17